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  • 執筆者の写真竜太郎 山下

令和4年3月定例会 山下竜太郎一般質問(2022年2月25日)全文

 こんにちは。お昼ご飯を食べた直後で、眠たいと思いますが、目も覚めるような質問をしますので、頑張って起きておいてください。

 本市のメンタルの問題と、働き方改革について質問させていただきます。その前に私の今回の質問「本市職員のメンタルヘルスの問題と働き方改革について」ですが、まずは全国の地方公務員の健康状況がどうなっているかをお話しします。「地方公務員健康等の現状の概要」ですが、令和2年度に都道府県、市町村など350団体、約79万人を対象に行われました。ちなみにこれは警察、消防、教員は対象外です。

 まず「長期病休者数の推移」のグラフですが、年々数が増えているのがお分かりいただけると思います。昨年から比べて3.16%増加しています。次に「主な疾病(しっぺい)分類別長期病休者率の推移」のグラフですが、「新生物」これは癌になる前の腫瘍のことですが、「新生物」「循環器系」「消化器系」といった身体的な疾患が横ばいなのに対して、「精神及び行動の障害」は増加の一途をたどっています。そのため、「長期病休者の疾病(しっぺい)分類別構成比の推移」でも「精神および行動の障害」の割合が増加をしている、というのが全国的な状況です。


 質問に移ります。本市職員のメンタルヘルスの問題について、これまで学校の教職員については、令和2年度に「廿日市市立学校の教育職員の業務量の管理等に関する規則」の制定や、市議会の一般質問で取り上げられるなど、働き方改革の取り組みがされているのは皆さん、ご承知のことだと思います。しかし学校以外の市職員については、これまであまり取り上げられていません。市職員の労働環境の改善と、仕事と私生活の調和「ワークライフバランス」を実現するため、時間外勤務や高ストレス職場における、職員への健康管理の取り組みついて問います。

(1) 過去数年、精神的不調による休職者は何人程度いますでしょうか?

(2) これまでその休職者に対して、産業医や相談員の対応、ストレスチェックなど、原因の究明や具体的な健康管理の取り組みをしていますでしょうか?

(3) これまで休職者が出た職場に対して、メンタルヘルス研修の実施など、職場復帰しやすい環境を整える取り組みをしているでしょうか?

(4) 令和3年度から7年度の「廿日市市定員管理計画」には、時間外勤務の縮減など職員の健康管理に関する取り組みをする、と記されています。その取り組みの内容について、すでに遂行中の施策や今後検討していく施策が具体的にありますでしょうか?

(5) 働き方改革の具体策について、本市でも採用できないか、以下の3点について問う。

 ア 国は働き方改革の一環で、平成28年10月から原則全職員、月曜日から金曜日までの毎日、5時間のコアタイムのあるフレックスタイム制を導入しています。林忠正議員は平成21年、28年、令和元年と3回、その導入について一般質問を行い、答弁はそれぞれ「検討する」との内容でした。直近の令和元年市議会第4回定例会では、「豊田市、東京都、横浜市、寝屋川市が完全フレックスタイム制を導入していて、本市も制度の導入をしてはどうか」との質問内容に、「本市は市民サービスの安定的な供給に支障をきたさないようにするなど課題があり、今後、他市の運用や導入効果を調査研究し、職員のライフスタイルに応じた働き方の実現などに向けた制度を検討する」とのことでした。その答弁から2年、調査研究の内容と制度検討の結果について問います。

 イ 広島市の食品会社では、職員がふと業務改善案を思いついたときに気軽に提案できる「改善カード」制度を導入し、月1回「ベスト改善賞」を授与する取り組みをしています。職場環境の改善につながる取り組みですが、本市でも採用できないでしょうか?

 ウ 広島市の廃棄物処理会社では、業務の中で無駄だと感じた作業を記入してもらう「ムダ取りチェックシート」を全職員に配布し、このシートをもとに職員同士で話し合いを重ねて、業務改善を図っています。作業が軽減されれば勤務時間の削減にもつながりますが、本市でも採用できないでしょうか?

 以上、働き方改革の取り組みをするにあたり、逆に業務が増えることになると本末転倒ですが、これらは取り組みが簡単に業務削減へと繋がるものです。何か一つでも市職員の皆さんの職場環境が良くなる取り組みをしていただきたいと思いますので、ご答弁をよろしくお願いします。


【総務部長】

 本市職員のメンタルヘルスの問題と働き方改革についての質問です。大きく5点、ご注文いただいたと思います。

(1)精神的不調による休職者数は?

 平成30年度から令和2年度までの過去3年間で、メンタルヘルスの不調により病気休暇が90日を超えまして休職処分としている職員数ですが、平成30年度が19人、平成31年度も同じく19人、令和2年度が25人、今年度令和3年度ですが2月1日現在で18人という状況になっています。先ほど議員さんからご紹介いただいた記事で言いますと、人口10万人あたり大体1700人ちょっとということで、本市に合わせますと1000人あたりで言えば17人ぐらいで少し多いのかなという感触です。

(2)休職者の原因の究明や健康管理の取り組みは?

 職員がメンタルヘルス不調となる背景としては、ひとつには行政課題や市民ニーズが高度化・複雑化して職員の負担が増えていること、もうひとつには人事異動や昇任等の職場環境の変化、また職場内外における職員間のコミュニケーション不足、加えて子育てや介護など家庭内における心身の負担増加、こういったことが色々合わさりまして職員が抱えているストレスも年々大きくなり、これらの複合的な要因が影響してメンタル不調につながっているものと考えているところです。

 このような中、職場を原因としたメンタルヘルス不調を可能な限り抑えていくため、職員健康担当の職員および職員健康相談員による相談窓口を設置し、産業医や産業保健医の協力も得ながら、職員を支える体制を整えているところです。

 具体的なメンタルヘルス予防の取り組みとしては、新規採用職員に対しては、採用時のメンタルヘルス研修や健康相談員による全員の面談、全職員を対象とした年1回のストレスチェックの実施、またこのストレスチェックの結果による高ストレス者に対しては、面接指導の勧奨、こういったことを行っているところです。

 また職員がストレスから自分を守るための知識習得のための研修や、管理監督職にはより良い職場環境をつくるための研修などを実施しており、具体的には、ストレスチェックの集団分析結果を活用した職場環境改善研修、メンタルヘルス研修、自殺対策研修、ハラスメント防止研修などを行っています。

(3)職場復帰しやすい環境を整える取り組みは?

 メンタルヘルス研修については、休職者が発生した職場だけに限らず、広く職員向けに行っています。また休職者に対しては、積極的な復職支援を行っており、職場復帰に向けたプログラムに沿って、試し出勤による職場訓練、職員健康相談員との定期面談、主治医や産業医との面談、こういったものを通じて、所属長、健康相談員、職員健康担当の職員、産業医等が連携し、休職した職員に寄り添いながら、円滑な職場復帰に向けた取り組みを進めているところです。

(4)遂行中の施策や今後の施策は?

 限られた職員で安定的に質の高い行政サービスを提供していくためには、職員が能力を最大限発揮する必要があり、その前提として職員がまず健康であることが大切です。また働きやすい職場環境の整備が重要な取り組みであると認識しています。

 職員の健康管理に関する取り組みについては、これまで説明した内容を継続していくとともに、令和4年度からは、職員の健康相談窓口を現在の週3日から週5日に拡充するなど、職員の健康面でのサポートをより充実させていきたいと考えています。

 また時間外勤務については、市全体の月平均では令和2年度は15.2時間でして、県内の市の中でも平均より少し低いレベルとなっている状況ですが、中には過労死ラインである月80時間を超えるケースも出ていて、一部の職員に過度な時間外勤務が発生してる現状もあり、職員の健康に留意していく必要があると認識しています。

 このため、副市長および部局長で構成する時間外勤務縮減改革推進本部において、過労死ラインを超えないことを最重点としまして、職員ごとの年間の時間外勤務時間の目標設定と管理、管理職のマネジメントの徹底、全庁的な職員の応援態勢の確保など業務の平準化、といったことの方策を定めまして、削減に向けた取り組みを継続して実施していきたいと考えています。

 これらに加えて、令和4年度は業務を行う上での基礎単位となる係やグループにおけるチームとしての生産性向上や、管理監督職のマネジメントを強化するための研修を実施し、より風通しの良い、働きやすい職場環境づくりにも取り組んでいきたいと考えています。

(5) 働き方改革の具体策について、本市でも採用できないか、以下の3点について問う。

 ア フレックスタイム制について

 公務職場におけるフレックスタイム制度の実施状況ですが、国においては平成28年4月から議員さんからもご紹介いただきましたが、全ての職員を対象に導入され、自治体においては、令和2年度の地方公共団体の勤務条件等に関する調査で、84団体(全体の4.7%)、内訳で申し上げますと、都道府県が12団体、指定都市が2団体、市区町村が70団体、が導入してる状況です。

 本市においては、新型コロナウイルス感染症対策としても有効とされる時差出勤制度を導入しまして、勤務時間を7時30分から21時15分までの間で、8種類の時間区分の中で勤務する事が現在可能となっています。

また勤務の振替制度によって、平日の勤務と土日の週休日の勤務を入れ替えることも可能としているところです。

 こうした取り組みによって、朝夕の子供さんの送迎への対応や、夕方以降の会議への対応など、時差出勤や振替勤務を行うことで、職員の事情と職場の状況に合わせて、概ね多様な働き方に対応できているものと考えているところです。

なお以前、林市議の質問の際にもご答弁を差し上げましたが、本市で運用している勤務管理システムが完全フレックスシステムに対応してない状況です。そういった中で完全フレックスシステムにおける職員間のコミュニケーション不足や、マネジメントの困難さなどへの対応策が見いだせないこともありまして、現状において可能な限り柔軟な働き方に対応できるよう取り組んでいる状況です。

 こうした本市の取り組みを継続しつつ、今後職員の多様な働き方と適切な住民サービスの提供のバランス、そして新型コロナウイルス感染症対応などを考慮し、また他の地方公共団体の動向にも注視しながら、本市において適切と考えられる新たな勤務制度の構築に向けて、引き続き検討してまいりたいと考えています。

 イ 「改善カード」制度導入について   ウ 「ムダ取りチェックシート」制度導入について

 議員さんからご紹介いただきました、業務改善等に係る職員提案の仕組みについては、職員の気づきを促して改善意欲を向上させ、職員の人材育成、組織力の向上、働きやすい職場づくりを推進し、市民サービスの向上につながるものであると考えています。

本市におけるこれまでの取り組みとしては、

・職員研修の一環として平成30年度と令和元年度において、主任主事級に昇任した職員が各職場において業務改善などを実践し、幹部等への報告と報告会を開催した事例

・また平成30年3月から各所属において、事務の見える化を通して無駄な部分を見つけ、効率化を図ることなどを目的として事務処理マニュアルを作成している事例

・また各部局の取り組みとしては、福祉保健部では令和4年度に山崎本社みんなのあいプラザへ執務室を移転することを機に新しい働き方への転換を目指し、令和2年度から入庁5年目までの職員を中心に業務改善プロジェクトチームを設置して、会議の効率化や定期清掃、文書管理、誰もが働きやすい就労環境等をテーマとして、業務執行や執務環境の改善策を実践している事例

・同様に経営企画部においても、若手職員を中心に協議スペースのリノベーションや執務室の定期清掃、4階フロアの執務環境の改善に取り組んでいる事例

があります。

 このように全庁一体の取り組みに加えまして、部局独自の業務改善にも取り組んでるところでありまして、引き続き職員の個々の気づきを大切にしながら、また全国的な事例も参考にしながら、議員さんからいただいた意見も参考にしながら、組織全体として業務改善を進め、より良い働き方ができるよう努めていきたいと考えています。

【山下竜太郎】(再質問)

 答弁ありがとうございました。私が思っていたことを全て答弁いただいて、皆さん、お分かりになったかと思いますが、こんな大変の中でこれだけ取り組んでいるということです。

 再質問を1問だけさせていただきます。

 精神的な不調による休職者の数について聞きましたが、公務員の休職の流れ、最初は病気休暇を取得、そして病気休暇を上限まで取得すると病気休職、それから最大3年間病気休職をすると分限免職処分となるかと思います。本市もそのような対応ということでよろしかったでしょうか。また病気休暇取得者、病気休暇休職者、分限免職処分者それぞれの数は把握していますでしょうか。それぞれの年で状況をお聞かせください。


【総務部長】

 病気休暇、病気休職、分限免職といった部分は、議員さんのおっしゃった通りです。こういった中で人数でございますが、先ほども平成30年度から申し上げましたので、同じく平成30年度から申し上げたいと思いますが、30日以上ということで病気療休をされてる方は、平成30年度がメンタルと身体を合わせまして40人、令和元年度が38人、令和2年度が45人、令和3年度は2月1日現在で46人という状況になっています。

 その内数が休職ということになりますが、90日を超えますと平成30年度がメンタルと身体を合わせて25人、令和元年度が24人、令和2年度が30人、令和3年度が24人、これは2月1日現在ですが、次の状況になっています。

 また3年間を通じて分限免職となった方はこの数年ではいらっしゃらない状況です。

【山下竜太郎】(最後に)

 分限免職はないということでしたので、そこまでの対応はない、ひどくなってないということなのかなと思います。それと令和4年度の市政方針で、市長が「本市はトップランナーとして市民が夢と希望を持ってまちづくりに市役所一丸となって取り組んでまいります」とありました。市役所一丸となって、ということは市職員全員が一丸となって取り組まないといけないということなので、休職者が0人になって、本当に市役所全員で頑張ってもらいたいと思います。

 一人一人が能力を発揮するには、上司の力も必要と思います。部下、後輩がどのような働き方をしているかを見て、その人が能力を発揮できるようにし、そして本市がトップランナーとしてやっていけるようになってほしいと思います。私たちにできることがあれば協力させていただくので、また声をかけてください。私の質問を終わります。

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