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​​令和4年12月定例会 山下竜太郎一般質問(2022年12月9日)全文

執筆者の写真: 竜太郎 山下竜太郎 山下

おはようございます。無会派の会、山下です。先般、W杯サッカーがございました。日本中がものすごく盛り上がるスポーツイベントでした。スポーツというのは何か人を惹きつける魅力があると私は思っています。本市はスポーツを核にしたまちでありますから、私は今回、スポーツを盛り上げてくれる皆さんの気持ちに応えたいと思い、一般質問させていただきます。


【山下竜太郎】(質問1:みやじまトライアスロンについて)

私は前回の一般質問に続き、今回もスポーツとまちづくりについて質問します。本市では本年度からスポーツを核としたまちづくりに取り組みを行っています。しかしスポーツイベントを取り巻く環境は年々厳しくなっており、はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会も、6月の開催をもって終了することが発表されました。質問の前に、みやじまトライアスロンが本市のまちづくりにどれだけ役に立ってきたか、少しご説明させていただきます。

みやじまトライアスロンは2007年、平成の大合併で4町村を編入した本市の一体感を高めるため、5市町村すべてを結ぶコースで過去13回開催されてきました。選手は海外勢を含む500人以上が全国から参加してくれています。個人の部はもちろん、リレーの部には本市の企業や団体がチームを編成して参加し、大会を盛り上げてくれています。大会運営は廿日市商工会議所が中心となり、本市の企業、団体、市民ボランティアなど総勢2000人以上が支えています。沿道では7万人の観客が選手を応援する、本市全域が会場となる唯一無二のイベントです。運営スタッフは業務が部会ごとに分かれていて、徳原議員が部会長を務める地域活性化部会は、選手と地域のボランティアの交流の場を設けたり、市内各所にのぼり旗を出して市民の皆さんに、本市を訪れる選手や役員のおもてなしの機運を醸成したりしていました。市民ボランティアは13年の月日を経て徐々に高齢化してきていますが、中高生の参加も多く、現場では世代を越えた協力体制ができているのを、私もボランティアで参加しながら見てきました。また大会の実行委員会名簿を見ると、各地のコミュニティ、学校、商工会、医師会、警察、消防、観光協会、スポーツ団体など、まさにオール廿日市で大会を支えていることがわかります。スタート地点の厳島神社からフィニッシュ地点のクヴェーレ吉和まで、コース沿道の皆さんの全面協力もあって、これだけ大規模な大会がスムーズに開催されてきました。新聞やテレビ、ラジオなどマスコミも今大会を盛り上げてくれました。中国新聞は選手の募集開始から事前準備の様子、大会後の写真グラフ掲載など、4から5カ月の間、大会を伝え続けてくれました。広島テレビ、ちゅピCOM、 FMはつかいちも特番を放送してくれました。そして広報はつかいち、私の大好きな広報はつかいちは、毎年選手やボランティア、観客の様子を掲載し、本市全体の盛り上がりを市民に伝えてきました。

スライド見てください。これは2013年8月の広報はつかいちです。私が口頭で説明するより、これを見ていただいた方が大会の盛り上がり、熱量がダイレクトに伝わると思います。

表紙の写真左側です。洋光台にお住まいの選手です。「コースの標高差900mはかなりきつく、ボランティアや沿道の応援なしではとてもゴールまでたどり着けませんでした」と感謝のコメントをされています。2ページから7ページには、選手、スタッフ、観客の様子やコメントが載っています。スタッフからは「市内全域が一つになるイベントだ」「ボランティアの力ってすごい」「選手の不安を少しでも取り除きレースに集中してもらいたい」と色々な思いが語られています。当時廿日市市PTA連合会の会長だった向井議員のコメントも載っています。「ボランティアのこちらが選手にパワーをもらっています」と、無名の選手でもその選手の頑張りが年に1回、地域にパワーを届けてくれていたとことがわかります。また選手からは「トライアスロンは一人で戦うスポーツだけど一人ではできない」「こんな素敵なおもてなしをしてくれる大会は他にない」とのコメントがあり、選手と本市の皆さんとの素敵な関係性が見てとれます。そして最後の8ページ・9ページを拡大してお見せしますが、「ありがとうを伝えたい」と題したこのページには、観客・スタッフが選手を応援する気持ち、そして選手からの感謝の気持ち、お互いを思いやる気持ちがあふれています。このページを見ただけで、みやじまトライアスロンがどんなに素晴らしい大会であったかが分かるはずです。この号を含め、広報はつかいちは市のホームページでご覧頂けますので、是非2013年8月号の8ページ・9ページに載っているフリップに書かれたコメントをひとことひとこと見ていただきたいと思います。

廿日市市スポーツ推進計画は、スポーツを「する」人、「みる」人、「ささえる」人の誰もが、生涯にわたってスポーツに親しむ「生涯スポーツの社会」の実現を目指す、と書かれており、みやじまトライアスロンはまさに「する」「みる」「ささえる」が一体となった大会です。大会が終了すると、「する」がなくなるわけですから「みる」も「ささえる」もなくなります。できることなら「トライアスロンのまち」のブランドを無くさないためにも、大会運営を本市が引き継いで開催して欲しい、とは思いますが、現実的に難しそうです。トライアスロンのブームが過ぎ去り、参加者数が減少してきたため、参加料収入も減少していること、協賛金収入が伸び悩んでいること、逆に資材費や人件費が年々高騰してきて経費が増加していることなどが、大会の継続を困難にしています。それなら大会が残してくれた遺産、レガシーを引き続き、今後も中山間地、そして本市全体がスポーツで盛り上がるまちにするために、別イベントの開催も視野に入れる必要があるのではないでしょうか。

ということで、以上のことを踏まえて市の考えを問います。

(1)みやじまトライアスロンの評価について

本市のスポーツ推進計画では、毎年スポーツ推進審議会において、計画の進行管理や評価を行いその結果を公表する、としているが、本大会についての意見や提言はあったか? 毎年本市が本大会に対して補助金を300万円支出してきたが、その費用に対する効果は具体的に何があったと考えるか?

(2)レガシーの継承について

大会の終了により、本市全域を使って開催するイベントがなくなることについて、どのように考えているか? また大会終了に伴い、大会が培ってきた地域の協力体制、レガシーが発揮される場をなくしてしまうことについて、どう考えているか? このレガシーを継承していくことを考えているか?

(3)新たなイベント開催の検討について

本市全体で開催できるスポーツイベントについて、調査・検討をしているか?

以上、ご答弁をお願いします。


【地域振興部長】(答弁)

3点ほどご質問いただいております。まず1点目、スポーツ推進審議会においての意見提言あるいは費用に対する効果、ということについてです。市のスポーツ推進審議会は、スポーツ基本法第31条に基づき設置しているもので、スポーツに対する知見を持つ10人の委員で構成をしております。毎年度開催している審議会では、市のスポーツ推進計画に基づき、実施している主な事業の推進方法や、スポーツ基本法第35条に規定をされている、スポーツ団体などへの補助金交付に対するご意見をいただくこととしております。市のスポーツ推進計画の「ささえる」スポーツに位置付けているみやじまトライアスロン大会実行委員会への補助金交付についても、これまで審議会にお測りしておりますが、コロナ禍の3年にわたり大会が中止になっていることもございまして、特段のご意見は頂いていない、という状況です。みやじまトライアスロン大会の概要ですが、先ほど議員さんの方からもご紹介がありましたが、令和5年度の実施状況で申し上げますと、市内外や海外から選手約600人が競技に参加するとともに、円滑な大会運営のための、医師や自衛隊などの専門ボランティアが約200人、選手の活躍を支えるための市民ボランティアが約2000人、という大会の開催に携わっていただいております。また開催経費ですが、約4千万円余りでして、その収入内訳は、協賛金が約2千万円、選手の登録料が約2千万円弱となっており、市も大会の趣旨に賛同し、300万円の補助金を支出しております。この大会は市町村合併後の新生廿日市市の一体感を醸成することを目的に、合併前の旧1市3町1村を縦断するコースで設定されたものでして、競技を通じて世界遺産宮島から中山間地域の豊かな自然まで、本市の魅力を余すところなく全国にアピールできたことは一つの成果であると考えております。また大会の運営や参加する選手への心からのおもてなしなどを市内の各種団体、事業者、市民ボランティア、行政がオール廿日市で取り組んだことは、大会の目的でありました「地域の一体感の醸成」はもとより、「協働によるまちづくり」につながる大きな効果があったと評価をしております。

2点目です。レガシーの継承について、市域全体を使ったイベントがなくなることについて、あるいはレガシーの発揮の場についての質問です。先般の新聞報道にもありました通り、この大会が開始から15年が経過しまして、「合併後の市の一体感を醸成する」という当初の目的を達成したこと、また選手の安全対策に必要な警備員の確保や昨今のコロナ禍の影響による協賛金の確保が困難なことなどは、大会を取り巻く社会情勢の変化などもありまして、10月17日に開催されました実行委員会において「継続は困難」と判断し、来年6月の大会開催を最後に一区切りつけることとなりました。この大会をを15年間継続して実施することができた要因の一つには、より多くの市民ボランティアの方の協力があったということが挙げられると思います。大会が6月の開催をもって終了することは、本当に残念なことではございますけれども、この大会を通じて培われてきたボランティアの力は、次世代の市民に受け継いでいくべきレガシーとして、今後もスポーツの分野に限らず、本市のあらゆる分野でのまちづくり活動に寄与する、貴重な財産になると感じております。

3点目、新たなイベントの開催を検討しているか、という質問です。今後本市全域を活用して行うスポーツイベントは、今回のみやじまトライアスロンが終了となった要因でございます安全対策に係る警備員の人件費の高騰や、交通規制が厳しくなるなど、現時点で開催は容易でない、というふうに考えております。市のスポーツ推進計画では、基本方針「する」スポーツ、「生涯スポーツの推進」ですけれども、におきまして、重点政策の一つに「地域特性に応じたスポーツの推進」を掲げております。このことから今後は、沿岸部から中山間部の各地域の地理的特性を生かしたアウトドアスポーツの機会と場の提供や、地域の特色あるスポーツ施設を活用した事業について、調査検討していきたいと考えております。その中で、みやじまトライアスロン大会で培われたレガシーである「ボランティアの力」を発揮できる場も併せて検討していきたいと考えておりまして、今後もスポーツを通じてより多くの市民が感動を共有できる事業を展開して参りたいと思います。以上です。


【山下竜太郎】(再質問)

レガシーを継承してほしい、ということが伝わったのはすごく嬉しかったです。本市の財産ですよね、ボランティアの人っていうのは。何かやっていこうと思った時に、人に協力してもらわないと何もできないですよ、一人じゃ何もできない。そういう時にボランティアの人たちが何か助けてくれる、というかみんなでやるということで達成感もあって、すごくいい大会だったんですよ。だから大会がなくなるのは、先ほどの答弁にもありましたように、安全面や経費面など、大会を続行することは皆さんで話し合った結果、難しかったということで、それは仕方ないと私も思っております。ただこの「ボランティアの力」は本当に廿日市の財産で、この財産を市長、何か活かせる方法がないかなと思っています。議員だけではできないし、執行部だけでもできない。市民がオール廿日市でできる事が一番大事なことだと思いますので、市長、このことについて何かございましたら、一言お願いします。


【市長】(答弁)

トライアスロンが来年最後になるのは正直残念ではありますが、イベントというのは、始めたら当然どこかで終わりがあるわけです。その終わりはというと、社会情勢が大きく変化したことが要因でしょう。先ほど終わりの要因は、警備費の高騰であったり、交通規制が厳しくなったり。宮島の花火もそうですけれども、お金の問題もあるのですが、一番の要因は、私は社会情勢の変化だと思っていまして、例えば何かあった時に社会的な責任を以前と比べて比べ物にならないくらい問われるようになった。やはりそれに対して主催者側はどうしても萎縮してしまうような現状があるような気がします。最後に誰が責任取るんだ、と言われた時に、皆萎縮しますよね。宮島の花火もそうだったんですよ。宮島の花火はコロナということがあってこれを機にという決断ができたわけですが、社会情勢の変化によってこういったイベントは形を変えていくべきだと思っています。花火も来年から週末花火という形で開催させて頂きますけれども、議員がおっしゃるように、そのトライアスロンのレガシーというのはこれから引き継いでいかなきゃいけない。ボランティアをはじめ、廿日市が一体になったというイベントは、大事にしていかなきゃいけないということで、そういったイベントがどういう形で社会情勢の変化に対応できるような形で、どういった形で開催できるかというのは、しかと考えていきたいと思っていますので、オール廿日市でできるイベントですね、議員のおっしゃる形で開催できるように、しっかり努力して検討して参りたいと思います。


【山下竜太郎】(まとめ)

ありがとうございました。急なフリですみませんでした。先ほど部長からの答弁の中で、アウトドアスポーツということで、地域活性策を何か考えているということがありまして、私の方で一つ考えがあったのでご紹介させていただきます。コロナ禍で3年間スポーツイベントが開催できなかった。物事をいったん止めると動かすのにものすごく力とエネルギーがかかるんですよ。広島湾岸トレイルランというイベントが、22年9月24日、今年の9月にあったのですが、トライアスロンをする人にとってはトライアスロンだって言うかもしれませんが、また違ったこのトレイルランという大会の開催はどうか、と思っています。この大会は交通規制をそこまでかける必要がない、というのが一番大きなメリットです。それとこの大会の参加者ですが、県内から来る人よりも県外から来る人がすごく多くて、観光に関しても結構いいように回るのではないかと。宿泊についても必ず廿日市で泊まるということもありますので、キャンプをする人は別として、廿日市に泊まってもらえる。そんなに早く走るスポーツではないんですよ。なので地域の人ともおしゃべりもできる時間もあったりとかして、2日間ぐらいやっていくのですが、こういう大会も検討していただければと思います。

皆が一つのことを思うこと、廿日市のことを思ってくれる人、誰かが手伝うからその人のことを思って手伝ってくれる人、という、そのひとつひとつの気持ちが、廿日市を支えてくれるのだと思いますので、何かご検討する資料として参考にしていただけたらと思います。長々と語りましたが、私の思いはトライアスロンを続けてくださいではなくて、続けては欲しいんですけど、「ボランティアの力」を、皆さんのそういう思いを、市はくんでほしいという想いで、今回一般質問をさせていただきました。終わります。

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